【板挟み!?】監査計画説明と監査結果説明は難しい!
4分くらいで読めるよ~
監査法人でスタッフ4年目からインチャージ(主査)を持つ方も多いと思いますが、初めてインチャージを持つ方がまず戸惑うのが、監査計画説明と監査結果説明でしょう。
何しろ、スタッフの頃はクライアントの方と関わるといっても、経理部の担当者レベル、偉くて課長クラスだと思います。
しかし、監査計画説明や監査結果説明は課長クラスはもちろん、部長やCFO・監査役などの役員が集結します。
こちら側は業務執行社員(パートナー)・マネージャー・インチャージ(自分)という陣営です。
この監査計画説明・監査結果説明、とても難しいです。
何が難しいのか掘り下げていきましょう。
文量が多い
計画説明書や結果説明書はとにかく文量が多いです!
正直、読ませる気はないようにも感じるほどの文量とページ数です。
会社法監査でしたらそれほどの文量にはなりませんが、金商法適用会社は気が遠くなります。
説明書はPowerPointで作成していくのですが、スライドの総数は50~70ページといったところです。
使い回せるスライドはありますので、そういうスライドは監査アシスタントの方に更新してもらうのですが、新論点やイレギュラー論点、監査上の突っ込んだ話などは自分で更新することになります。
冗談抜きに更新作業だけで1日が終わります(涙)
パートナーが早く見たいと言えば、休日を使って作成することも…
レビューの段取りが難しい
さて、丸1日更新作業を行った監査計画説明書や結果説明書は、実際の説明日前にマネージャー・業務執行社員(パートナー)のレビューを経ることになります。
ですので、レビュー期間を考慮に入れて作業を開始しないと後々大変なことになります。
実際の説明日の2週間前にレビューに回すことができれば完璧といったところですが、
他の業務もありますので、そう上手くは事が運びません。
遅くても説明日の1週間前までにはレビューに回すことがデッドラインかと思います。
管理人はそのように動いていましたが、監査法人内には2,3日前にレビューを回す人もいたようです。
2,3日前は流石に怒られそうだね。
そうだね。
時間に余裕を持って作っておきたいですね。
双方の期待に答えることが難しい
レビューを終えて無事に監査計画説明書・結果説明書が出来上がり、いよいよクライアントの方を対面に迎えて説明します。
説明を行うのは主にインチャージの役割です。
マネージャーが優しければ、マネージャーとインチャージでページを分割して説明することもあります。
パートナーは基本的にそれらの補足説明やCFOや監査役からの質問に答える役割です。
さあ、この計画説明・結果説明ですが、かなり難しいです。
難しい要因は2点あります。
①文量が多いため、説明に時間がかかりすぎる
冒頭で、計画説明書や結果説明書はとにかく文量が多いとご説明しました。
PowerPointのスライドで50~70スライドです。
化け物級の紙の塊です。
そして、説明の時間ももちろん無限ではありません。
クライアントの方々、特に役員(CFO・監査役)はスケジュールも詰まっていますので、予定時間を超えるわけにはいきません。
したがって、全スライドを1つ1つ説明するのではなく、ポイントを絞って説明していくことになりますが、省略しすぎても先方に内容が伝わりません。
ちょうど良い塩梅が必要なのです。
②双方の期待に応えなければならない
これはどういうことかというと下記になります。
監査法人側は
予定時間内に簡潔にスムーズに説明して欲しい
というのが説明者に求められている期待ですが、
クライアント側は
どのように監査を行ってどういう結論になったか
監査報酬を安くできる方法はないか
を説明して欲しい
というのを求めています。
双方の期待が全く別方向にありますので、両者の期待に応えるのはなかなか困難を極めます。
実際に、監査計画説明や結果説明の後にクライアントの方が来て「あれって結局どういうことですか?」と質問をしに来られたこともありました。
説明を上手く行うためのヒント
両者の期待に応えるならば、監査計画説明書や結果説明書に記載されている内容を自分の言葉に置き換えて説明すると良いでしょう。
当然ですが、説明書に書いてある内容の棒読みではいけません。
むしろ、説明書に書かれていない現場を見ている監査人だからこそ話せる内容を求めています。
そのためには読み込みや話す練習が必要です。
管理人もインチャージになりたての頃には、計画説明や結果説明の前にストップウォッチを片手に話す練習をしていました。
監査計画説明や結果説明1つ取ってもクライアントの方の印象を損ねるようなことがあっては信頼関係にもキズが付いてしまいます。
インチャージでこのような説明の場を任される方においては、是非この記事を覚えておいてほしいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また明日もお楽しみに!
独立会計士ブログのかわなべでした!
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