【何故多い?】3月末決算会社が多い理由?
この記事は5分くらいで読めるよ~
今日は3月31日ですね。
年度末になります。
皆さんは「年度末」といえば何を思い浮かべますでしょうか?
卒業シーズン
花粉症つらい
職場の部署異動
色々な声が聞こえてきそうですが、監査法人にお勤めの方は、真っ先に3月決算会社の年度末が浮かぶのではないでしょうか?
期末決算監査が目前に迫った今、改めて3月末決算会社が多い理由をおさらいしてみたいと思います。
この記事で分かること
- 3月末決算会社が多い理由
日本の会社は3月末決算が多い
意外と思われるかもしれませんが、会社は自由に決算期を決めることができます。
その年度が1年以内であれば良いだけですので、日にちも月末である必要もありません。
僕はレミオロメンが好きだから3月9日。
私は誕生日を決算日にする!
どちらもOKです!
(実際なかなか見かけませんが)
ですが、日本の会社は3月末を決算期としている会社が多く、その割合は約70%と言われています。
3月に次いで多いのが、暦どおりの12月末です。
3月末決算会社が多い理由としては下記のような要因が考えられます。
- 勤務者の生活に馴染ませるため
- 国や地方公共団体の会計年度が「4月1日~3月31日」のため
- 税制改正や各種制度施行の実施時期を考慮するため
勤務者の生活に馴染ませるため
初めて会社に入社をする新卒の社員は、3月に大学を卒業してから4月に入社をします。
これは大学を始めとして教育機関の学校年度が4月に始まり、3月で終わるということになっているためです。
「配属ガチャ」という言葉が流行って久しいですが、新卒社員の配属が行われたり、既存の社員の部署異動や配置替えが行われたりするのも4月が多いです。
幼少期を学校で過ごしてきた私たちにとって、「年度といえば4月1日~3月31日」という考え方が最もわかりやすく、人事評価や部署異動を考える際にも3月末だと卒業シーズンとも重なるため、都合が付きやすいというのが要因です。
ただ、日本列島中の人が移動するから物件探しは難航するデメリットはあるね。
国や地方公共団体の会計年度が「4月1日~3月31日」のため
先程、株式会社は自由に決算期を決めることができると書きましたが、国や地方公共団体、学校などは違います。
これらの機関や組織は、別途定める法律によって会計年度が4月1日~3月31日と決められているため、自由に決めることはできません。
国や地方公共団体、学校などが年度予算を編成したり、運営実績を集計したりするのも当然この期間内ですので、これらの機関や組織と取引実績が多い会社では3月末決算に合わせたほうが何かと都合が付きやすいのは確かです。
税制改正や各種制度施行の実施時期を考慮するため
上述のとおり、国や地方公共団体の会計年度は4月1日~3月31日ですので、定める税制改正や各種制度の開始時期は年度始め、つまり、4月から施行となるケースが大変多いです。
会社にとっては、期中でやり方を変えるというよりは年度で区切った方がわかりやすく、管理もしやすいため、3月末決算の方が税制改正や各種制度施行に対応しやすくなります。
そのため3月決算会社が多いのです。
3月末ではない会社もあるけど…
でも知り合いのおじさんの会社は12月決算だよ。
その決算月にするメリットが多ければ、その月にする選択もあるね。
決算日を迎えるということは、業績の締め作業や決算書類の作成と法人税申告書の作成と納付を行うなどの多忙な時期を迎えるということです。
ただでさえ、会社が忙しい繁忙期に決算作業まで重なってしまうと経理部の人たちは大パニックです。
各部署への連絡、請求書の整理、経費精算、決算書類の作成に、申告書の作成、監査法人対応…など気が遠くなってしまいますね。
また、上記の繁忙期と決算期をずらすという話にも関連しますが、売上の計上分布時期によって決算期を決めるということも考えられます。
例えば小売業を行っている会社は3月末ではなく、2月末決算が多いです。
今まで3月末でやっていたけど、2月末に決算期変更する会社も多いです。
小売業において売上は主に、年末年始や7月に多く計上されます。
何故かというと夏と冬のボーナスの支給時期が6月、12月の会社が多いため家庭の財布の紐も緩みやすいからです。
特に熾烈を極めるクリスマスや年末年始商戦の後は国内のイベントスケジュール的にも2月は売上が落ちやすく、閑散期になりますので、その際に決算を終わらせたいという考えから来ています。
決算日の2ヶ月後が納付期限の法人税の納税資金も潤沢にあると思われますしね。
他には何月決算会社が多いの?
9月末と12月末も多いですね。
9月末決算
9月末は、3月末の会社からすると半年後となり、中間決算の時期になります。
先程、3月の卒業シーズンの中で物件探しをすると難航するとお話しましたが、そのような新規配属や部署異動が重なりやすい時期を避ける目的があったり、税理士や監査法人の繁忙期と避けることで、希望する税理士や監査法人に見てもらいやすいなどの目的があります。
時期によっては断らざるを得ない事務所も多いだろうからね。
12月末決算
暦通りの12月31日を決算日とする会社です。
元々、個人事業主だった方が法人化したなどの場合、そのまま決算期を12月末とするケースが多いです。
(個人事業主の場合は1月~12月が所得税の申告年度です)
また、海外展開している会社は12月末決算が多い印象ですね。
海外の会社は日本とは違い、12月末決算が多いです。
IFRS(国際財務報告基準)を採用する会社が増えてきている中では、スムーズに連結決算が行えるように親会社と子会社の決算期を合わせることも多いです。
まとめ
◆ 日本では3月末決算が多いですが、海外は12月末決算が多い
◆ 会社は自由に決算期を決めることができ、後に決算期変更することもできる
◆ メリットを上回れば3月決算会社にこだわる必要はなく、実際に3月末以外の会社も最近増えている
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また明日もお楽しみに!
独立会計士ブログのかわなべでした!
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