【2023年最新版】Big4監査法人を徹底比較しました!
この記事は7分くらいで読めるよ~
前回の記事では、『監査法人の就活の軸』について皆さんにお伝えしました。
まだご覧になっていない方はこちらも是非ご覧ください!
監査法人はBig4に関して言えば基本的に似たようなところです。
それ故に、『どこを選ぶべきか・自分にはどこが合っているのか』迷うことも多いと思います。
Big4の監査法人に7年間勤務した管理人が
自分がいた監査法人に贔屓せず、中立的な観点でお伝えしていきたいと思います。
Big4に入りたいけど、どこに入れば良いのか迷っている方の
ヒントになればと思っています。
- Big4のそれぞれの特徴が知りたい方
- 監査法人選びでまさに悩んでいる方
- Big4に入りたい方
Big4の監査法人とは
まず始めにですが、『Big4の監査法人』という監査法人が存在するわけではありません。
Big4とは固有名詞ではなく、4つの大手監査法人をまとめた俗称です。
その大手監査法人とは下記の4つです。
- EY新日本有限責任監査法人(Ernst & Young)
- 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
- 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)
- PwCあらた有限責任監査法人(PricewaterhouseCoopers)
管理人はEY新日本に在籍していました!
受験生の間では有名かもしれませんが、それぞれブランドイメージというものがあります。
また、それぞれの特色もありますので見ていきましょう。
教えて教えて!
EY新日本有限責任監査法人
EYのロゴカラーはイエローです。
受験生のイメージとしては、真面目な人が多いという印象をお持ちの方が多いでしょう。
実際私もそう思っていましたし、在籍していた身としては分かります。
ただ、実際のところ、そういうカラーはありますが、事務所の雰囲気や監査チームによりますので
法人説明会やイベントで実際に皆さんの目で確かめていただきたいと思います。
イギリスのEYのメンバーファームです。
EY新日本の特色
提供サービス | アシュアランス、コンサルティング、ストラテジー・アンド・トランザクション、IPO、税務 |
業務収入 | 896億6,600万円(1項業務)、167億6,500万円(2項業務)、合計1,064億3,100万円 |
人員数 | 5,566人(うち、社員(パートナー)522人) |
被監査会社数 | 3,735社 |
非監査証明業務 | 1,863社 |
事務所所在地 | 東京(主)、札幌、仙台、福島、新潟、富山、金沢、松本、静岡、浜松、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄 |
大口クライアント | 日本製紙、アステラス製薬、塩野義製薬、明治HD、コカ・コーラボトラーズジャパンHD、大和ハウス工業、西日本旅客鉄道、楽天グループ、リクルートHD、メルカリ、丸紅、みずほFG、野村HDなど |
監査報酬がBig4の中で1番であり、監査の質に力を入れている監査法人です。
一時期は東芝事件の影響により、クライアントが離れたことや理事長が辞任、
パートナーも退職に追い込まれた事案もありました。
当時の影響を気にする方は少なくなりましたが、現在では体制も持ち直していて
信頼を取り戻すために邁進している監査法人です。
また、Big4の中で唯一、現任の理事長が女性です。
きめ細やかな運営体質、社会での女性の活躍をアピールしています。
実際に理事長に憧れて入社した女性職員は多いと思います。
いまだに「監査といえば新日本」という風潮があります。
有限責任あずさ監査法人
あずさのロゴカラーは青です。
受験生のイメージとしては、オシャレ・キラキラ系という印象をお持ちの方が多いでしょう。
これも私の見立てでは誤りではないです。
オランダのKPMGのメンバーファームです。
あずさの特色
提供サービス | 監査・保証業務、IFRSアドバイザリー、アカウンティングアドバイザリー、金融機関向けアドバイザリー、ITアドバイザリー、株式上場アドバイザリー |
業務収入 | 854億3,200万円(1項業務)、256億6,500万円(2項業務)、合計1,110億9,800万円 |
人員数 | 6,317人(うち、社員(パートナー)594人) |
被監査会社数 | 3,482社 |
非監査証明業務 | 1,999社 |
事務所所在地 | 東京(主)、札幌、仙台、北陸、北関東、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡 |
大口クライアント | 日本製鉄、AGC、武田薬品工業、資生堂、第一三共、キリンHD、アサヒグループHD、パナソニックHD、マツダ、東日本旅客鉄道、中部電力、日本郵政、住友商事、セブン&アイHD、三井住友FGなど |
あずさといえば、中国地方や関西地方がとにかく強い印象です。
特に中国地方はマツダ、中国電力を筆頭に、ほとんどの企業の監査を独占しています。
最近勢いのある監査法人ですね。
オシャレなだけじゃない。
仕事はしっかりされています。
有限責任監査法人トーマツ
トーマツのロゴカラーは緑です。
受験生のイメージとしては、体育会系という印象をお持ちの方が多いでしょう。
これも私の見立てでは誤りではないです。
ニューヨークのデロイト・トウシュ・トーマツのメンバーファームです。
トーマツの特色
提供サービス | 監査・保証業務、リスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリー、コンサルティング、税務、法務 |
業務収入 | 861億4,300万円(1項業務)、526億7,000万円(2項業務)、合計1,388億1,400万円 |
人員数 | 7,343人(うち、社員(パートナー)548人) |
被監査会社数 | 3,244社 |
非監査証明業務 | 2,868社 |
事務所所在地 | 東京(主)、札幌、仙台、新潟、さいたま、横浜、長野、北陸、静岡、名古屋、大阪、京都、神戸、広島、高松、福岡、那覇 |
大口クライアント | LIXIL、ブリヂストン、DIC、花王、キヤノン、デンソー、東海旅客鉄道、関西電力、ヤマトHD、ソフトバンクグループ、三菱商事、伊藤忠商事、イオン、三菱UFJFG、三菱UFJ銀行、りそなHDなど |
トーマツといえば、皆さん真っ先に思い浮かぶのがコンサルティングやアドバイザリーでしょう。
2項業務の業務収入規模は他の追随を許しません。
実際、人員数や売上規模を見てもBig4の中で最大規模で、トーマツに入社される後輩も多いです。
Big4の中でもトップを見てみたい、
アドバイザリーやコンサルをやりたいという方は
トーマツに向いています。
PwCあらた有限責任監査法人
PwCあらたのロゴカラーはオレンジです。
受験生のイメージとしては、外資系・洗練という印象をお持ちの方が多いでしょう。
これも私の見立てでは誤りではないです。
結局、すべてイメージどおりだったのね。
イギリス・ロンドンのPricewaterhouseCoopers(プライスウォーターハウスクーパース)のメンバーファームです。
名前の響きがかっこいいですよね。
憧れでした。
PwCあらたの特色
提供サービス | 監査およびアシュアランス、法務、コンサルティング、ディールアドバイザリー、フォレンジック、税務 |
業務収入 | 282億600万円(1項業務)、282億5200万円(2項業務)、合計564億5,800万円 |
人員数 | 2,832人(うち、社員(パートナー)185人) |
被監査会社数 | 1,157社 |
非監査証明業務 | 1,233社 |
事務所所在地 | 東京(主)、名古屋、大阪、福岡 |
大口クライアント | フジクラ、大王製紙、旭化成、ユニ・チャーム、ソニーグループ、トヨタ自動車、東芝、シャープ、コナミHD、東京海上HD、ソニーフィナンシャルHD、東京海上日動火災保険、アクサHDジャパンなど |
PwCあらたは、業務収入規模や人員数、クライアントなど他の大手監査法人よりも小規模です。
元々は中央青山監査法人の不祥事としてその一部を独立させる受け皿という形で設立された法人という経緯がありますので
準大手監査法人よりも規模では劣ります。
しかし、PwCは世界最大級の会計事務所であり、そのメンバーファームであるPwCあらたもBig4に数えられています。
テクノロジーの導入を積極的に行っており、日本を代表するメーカーであるトヨタ自動車の監査人でもあります。
EY新日本が監査を行っていた際に発覚した東芝事件後、EY新日本からどこに監査人が変更されるか注目を集めましたが
PwCあらたが現在監査を行っています。
まだまだ小規模ではありますが
新しい風を組織に入れるという点ではBig4の中でピカイチであり、最も成長も感じられると思います。
少数精鋭という言葉がピッタリだね。
まとめ
最後に、横並びで比較しやすいように、項目別に表にしてみました!
業務収入(1項業務)
EY新日本 | あずさ | トーマツ | PwCあらた |
---|---|---|---|
896億6,600万円 | 854億3,200万円 | 861億4,300万円 | 282億600万円 |
1位 | 3位 | 2位 | 4位 |
業務収入(2項業務)
EY新日本 | あずさ | トーマツ | PwCあらた |
---|---|---|---|
167億6,500万円 | 256億6,500万円 | 526億7,000万円 | 282億5200万円 |
4位 | 3位 | 1位 | 2位 |
人員数(パートナー込み)
EY新日本 | あずさ | トーマツ | PwCあらた |
---|---|---|---|
5,566人 | 6,317人 | 7,343人 | 2,832人 |
3位 | 2位 | 1位 | 4位 |
被監査会社数
EY新日本 | あずさ | トーマツ | PwCあらた |
---|---|---|---|
3,735社 | 3,482社 | 3,244社 | 1,157社 |
1位 | 2位 | 3位 | 4位 |
非監査証明業務数
EY新日本 | あずさ | トーマツ | PwCあらた |
---|---|---|---|
1,863社 | 1,999社 | 2,868社 | 1,233社 |
3位 | 2位 | 1位 | 4位 |
構えている国内事務所数
EY新日本 | あずさ | トーマツ | PwCあらた |
---|---|---|---|
16拠点 | 12拠点 | 17拠点 | 4拠点 |
2位 | 3位 | 1位 | 4位 |
いかがだったでしょうか。
今まで、受験勉強に精一杯努力してきたのに、就職活動で色々調べないといけない…と思われているかもしれません。
上記のデータを見てみて今まで持たれていたイメージと違った、もしくは同じだったという気づきになれば幸いです。
人によって適性があるように、皆さん1人1人合う監査法人というのは異なると思います。
その中でも、自分に合った監査法人を見つけていただく手助けになれたのなら幸いです。
監査法人選び、応援しています。
次回は、今回のデータを実際に見てみても
よく違いが分からないという方のために
管理人が裏技を教えてくれるみたいです!
監査法人選びの極意があります。
それを次回お伝えしましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また明日もお楽しみに!
独立会計士ブログのかわなべでした!
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