【法律用語】知ってましたか?「配偶者」という言葉の由来
この記事は3分くらいで読めるよ~
会計士業務の場合はほとんど業務で目にしませんが、税理士業務、特に相続税申告業務を行っているとよく目にする言葉があります。
それは何気なく使用している「配偶者」という言葉。
もちろん、意味は自分の結婚相手のことを指しますが、何故「配偶者」と記すのでしょうか?
漢字ばかり見ていてもゲシュタルト崩壊を起こしそうです(笑)
今回はそんな不思議な言葉、「配偶者」についてまとめてみます。
この記事で分かること
- 「配偶者」という言葉の意味と由来
配偶者の意味
「配偶者」という言葉を調べてみると、以下のような定義があります。
配偶者(はいぐうしゃ)は、婚姻届を出した婚姻によって生じる地位であり、法律上は親族となるが、親等はない。婚姻の届出がなされていない内縁関係の場合は、法律婚とは異なり、法律的に「配偶者」と呼ばない。配偶者の地位は、婚姻の解消(離婚)で失われる。
配偶者 – Wikipedia
ここでのポイントは、婚姻関係の元に成り立つ関係だという点です。
したがって、同居しているけど入籍はしていない関係(内縁関係)は配偶者には該当しません。
「内縁の夫」「内縁の妻」とは言いますが、「内縁の配偶者」とは言葉の定義からして矛盾しています。
皆さんも「内縁の配偶者」なんていう言葉は聞いたことがないと思います。
所得税や相続税にはそれぞれ「配偶者(特別)控除」「配偶者の税額軽減」の制度がありますが、
いずれも適用できるのは「婚姻関係がある夫妻」、つまり「配偶者」だけであり、内縁関係は除かれます。
言葉の由来
「配偶者」
最後の「者」は人を表す漢字ですので、そのままの意味ですが、その前の「配偶」とはどのような意味なのでしょうか?
辞書で調べてみても「配偶」という熟語はありません。
ですので、「配」と「偶」に分けて考えたほうが良さそうです。
「配」
「配」は「ハイ」という音読みの他に「くばる」という訓読みがあります。
「配布」や「配膳」などがその例ですね。
その他には「配合」のように「ならぶ」「つりあう」という意味があり、「配色」「交配」のように「相手を与えて組み合わせる」「とりあわせ」という意味があります。
また、「配」という漢字単体で「夫婦になる」「夫婦」という意味を持っています。
「偶」
「偶」という文字で思い浮かぶ熟語といえば、「偶然」「偶数」あたりでしょうか。
「偶然」という意味で使うときのように「思いがけなく」という意味を持っていますが、今回は「偶数」のような意味です。
「偶数」は2で割り切れる数字のことを指しますが、「2つ並ぶ」「対になる」「連れ合い」という意味を持っています。
ですので「偶」という漢字単体では「カップル」、古い言葉でいうと「アベック」という意味を持ちます。
つまり、「配偶」とは似た意味の漢字の組み合わせでできている熟語になります。
「配偶」
余談になりますが、「配偶」という言葉は「配偶者」という言葉の他にも「配偶子」「配偶体」という言葉があるそうです。
生物に詳しい方だとご存知かもしれませんが、管理人は全く知りませんでした。
もしかしたら高校の生物で習ったかもしれませんが、記憶はもう遥か彼方です(笑)
ちなみに「配偶子」とは、有性生殖で、接合・合体・受精にあずかり新個体をつくる生殖細胞。
「配偶体」とは、配偶子をつくり、有性生殖を行う世代の生物体。シダ植物の前葉体などを指すそうです。
なんかこう見ると習ったような…
でも思い出せない(笑)
皆さんはどうですか?
「配偶者」
上記で見てきたとおり、「配偶者」とは、2人が対になって1組になった夫婦のことを意味します。
ただし、「配偶者」という言葉はあくまでも法律専門用語であり、口に出す機会があるのは大事な契約等で畏まって「配偶者の方は~」という場合を除いてほとんどないでしょう。
日常会話の中では、それぞれの呼称「妻」「嫁」「奥さん」や「夫」「旦那」「主人」で呼ぶことが多いからです。
今更ですが、漢字の意味を調べてみると、漢字は1文字だけで意味が伝わるのですごいですよね。
まとめ
今回は「配偶者」という言葉の由来や意味についてまとめてみました。
法律専門用語とはいっても、意味は世間一般的に知られている単語だとは思いますが、やはり口に出すのには少々堅い表現かと思います。
税理士や公認会計士はついつい専門用語を多用して、説明を1人突っ走って終わらせてしまうという方が多いように思います。
お客さんを置いていかないような説明は専門家として心がけないといけないですよね。
公認会計士や税理士の業界全般に言えることだと思いますが、そういう意味でのクレームは多いと思いますし、よく耳にします。
「配偶者」くらいなら分かるけど、会計・税務用語で専門用語使われたら普通は「??」だもんね。
そうだね。説明をわかりやすくというのは常に心がけています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また明日もお楽しみに!
独立会計士ブログのかわなべでした!
コメント