【簿記】公認会計士試験目指すなら、日商・全経簿記も取るべき?
この記事は4分くらいで読めるよ~
公認会計士試験合格を目指す方は、簿記を初めて学ぶ場合、まず3級レベルから始めます。
その後に2級、そして1級レベルの講義を受けることになります。
公認会計士試験の財務会計論と管理会計論の学習範囲は簿記試験とも被りますので、簿記の試験を受けるべきか迷う方もいると思います。
今日は、この点について管理人の経験談をお話ししていきます。
この記事で分かること
- 公認会計士試験講座を受講中の方が簿記試験を取るべきかどうか
- 管理人の経験談
簿記資格は取らなくても良い
まず始めに結論ですが、必ずしも簿記資格は取らなくても良いと考えています。
一般的に、日商簿記1級よりも公認会計士試験が難しいという構図が言われます。
これは間違いではありませんが、公認会計士試験の勉強をしているからといって日商簿記1級に必ず合格できるかと言われるとそれはありません。
普通に落ちることもあります。
下記のデータを見ていただきたいのですが、日商簿記1級の合格率は10%前後で短答式試験並みの水準です。
【日商簿記1級】
回 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 (対受験者) |
---|---|---|---|---|
162 (2022/11/20) | 12,286人 | 9,828人 | 1,027人 | 10.4% |
161 (2022/6/12) | 11,002人 | 8,918人 | 902人 | 10.1% |
160 (2021/11/21) | 11,389人 | 9,194人 | 935人 | 10.2% |
159 (2021/6/13) | 9,310人 | 7,594人 | 746人 | 9.8% |
また、連結会計が試験範囲に含まれることになったことで話題の2級も難化傾向にあります。
【日商簿記2級】
回 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 (対受験者) |
---|---|---|---|---|
163 (2023/2/26) | 15,103人 | 12,033人 | 2,983人 | 24.8% |
162 (2022/11/20) | 19,141人 | 15,570人 | 3,257人 | 20.9% |
161 (2022/6/12) | 16,856人 | 13,118人 | 3,524人 | 26.9% |
160 (2022/2/27) | 21,974人 | 17,448人 | 3,057人 | 17.5% |
一時期、大学生には日商簿記2級資格取得が推奨されていた時期がありました。
会計系の資格として日商簿記試験は認知度が高く有名であるため、履歴書に書けば金融機関や経理職への就職が有利なためです。
しかし、今は合格率も20%台に落ち込んでいます。
安易に取得推奨することはできなくなった難易度です。
公認会計士試験に直接メリットはない
公認会計士試験を考えた場合に、日商簿記資格は直接的なメリットはありません。
日商簿記1級を取得しても公認会計士試験の受験科目が免除される規定はありません。
公認会計士試験は受験資格がそもそもないため、受験資格を満たすこともありません。
税理士試験の場合は受験資格の中に、日商簿記1級もしくは全経簿記上級の規定がありますので、税理士試験受験生の場合は簿記試験の受験を考える方も多いと思います。
公認会計士試験受験生が簿記試験を受験するとしたら、今までの勉強の腕試し的な位置づけになると思います。
腕試しで受験するのはアリだね。
管理人は簿記資格は取得した?
ここまで公認会計士試験と簿記資格は直接的な関係はないと語ってきた管理人ですが、
実は簿記資格は取得しています。
持ってるんかい!
まあ、そう言わず…(笑)
今のような難易度になる前ですが、日商簿記1級と全経簿記試験上級をそれぞれ一発で合格しています。
公認会計士試験と絡めたタイムラインは下記になります。
簿記試験については、専門学校の先生に「力試しになるから」と勧められて受験したら運良く合格できました。
受験生よ、目的を見誤ってはならない
管理人のように、簿記試験を力試しとして受験することはとても良いと思います。
そこで合格できることもあれば不合格になってしまうこともあるでしょう。
受かれば良いのですが、仮に落ちた場合どのように考えるのかが重要です。
簿記試験に落ちた~。
簿記の問題形式に慣れていなかったから
問題集を買って回して次こそは合格しよう。
残念ながら、それはやってはいけないパターンです。
簿記試験に落ちた~。
でも目的は公認会計士試験だから、
引き続き会計士の勉強頑張って、また簿記も再チャレンジしよう。
そのとおりです!
両者で何が異なるかというと、落ちた試験に注目するか否かです。
確かに、簿記試験と公認会計士試験の財務会計論や管理会計論との問題形式や問題文の言い回しは違います。
落ちるのは確かに悔しいです。
しかし、皆さんの目的は公認会計士もしくは税理士のはずです。
簿記試験用の問題集を買って回す時間的余裕はないはずです。
管理人も簿記試験(日商簿記1級・全経簿記上級)に一発合格した際には、それぞれの問題集はもちろん見ておらず、公認会計士試験の教材だけで合格しました。
現在、あの国見先生が代表をされているCPA会計学院において簿記3級・2級が完全無料で学べる「CPAラーニング」というサービスがリリースされています。
公認会計士試験・税理士試験までは目指さないけど、簿記の資格を取りたいという方には最高のサービスですね。
今後もサービス範囲を広めていくみたいですので、簿記の資格勉強はCPAラーニングが当たり前という時代が来るかもしれません。
まとめ
◆ 現在の簿記試験(特に日商簿記2級・1級)は難易度が上がっている
◆ 簿記資格と公認会計士試験は直接関係がない(税理士試験は受験資格が得られる)
◆ 簿記試験は公認会計士試験・税理士試験の力試し的な位置づけに留めておく
◆ 専用の試験勉強はもちろん必要なく、落ちても簿記試験専用の対策はしなくてよい
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また明日もお楽しみに!
独立会計士ブログのかわなべでした!
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