【公認会計士試験勉強法】短答式・監査論 編
公認会計士試験は短答式試験・論文式試験の2部構成です。
ですので、短答式試験は「1次試験」としての位置づけになります。
全1日のスケジュールで実施されますが、監査論はその中で3番目(午後)に実施される科目です。
お昼ごはん食べた後に加えて、理論科目…。
眠くなりそうだね。
集中力が1番落ちる時間帯でもありますので、昼食を食べすぎないように注意です。
今日は管理人が使用した教材などを掘り起こした上で短答・監査論の勉強法を解説していきます。
この記事で分かること
- 短答式・監査論の概要と勉強法
- 各教材の使い方
- 合格のために必要なこと
企業法も合わせてご覧ください!
短答式試験の監査論の概要
12月・5月の年2回実施される短答式試験のうち、3番目に実施される科目(14:00-15:00の1時間)です。
選択肢が6択で各5点の問題が全20問あり、合計100点です。
公認会計士・監査審査会のHPには、出題範囲の要旨について以下のように記載されています。
監査論の分野には、公認会計士又は監査法人(以下、公認会計士)による財務諸表(財務諸表、財務表及び財務諸表項目等)の監査を中心とした理論、制度及び実務が含まれる。
すなわち、財務諸表監査、中間監査、四半期レビュー及び内部統制監査の理論、制度及び実務を出題範囲とする。
このうち制度に関する出題範囲の中心となるのは、わが国の監査の基準の設定主体である企業会計審議会が公表する監査基準等(監査基準、中間監査基準、監査に関する品質管理基準、四半期レビュー基準、監査における不正リスク対応基準及び財務報告に係る内部統制監査の基準に関する意見書、並びに、財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書)及び公認会計士による財務諸表の監査に係る諸法令(金融商品取引法、会社法、公認会計士法、内閣府令等を含む。)である。
なお、令和 3 年 11 月 16 日付で企業会計審議会において改訂された「監査に関する品質管理基準」の改訂内容については、出題範囲に含まれない。
あわせて監査に関する基準の理解ないし解釈に必要な場合において、日本公認会計士協会の実務の指針(品質管理基準委員会報告書及び監査基準委員会報告書に限る。)も適宜出題範囲とする。
また、公認会計士としての職業倫理、その他内部監査や監査役等(監査役若しくは監査役会、監査委員会又は監査等委員会)の監査の概要も、公認会計士による財務諸表の監査の理解にとって重要であることから出題範囲とする。
なお、現行の基準や法令に関する知識のみでなく、それらの背景となる監査の理論や考え方、実務慣行等も出題範囲とする。
令和5年公認会計士試験の出題範囲の要旨について
この2つの科目、関連性がない上に1つの試験科目にまとめるなんて今思えば全く意味不明ですよね。
この複合科目が1番難しく、終わった後に試験会場で泣き出す人や途中で帰る人もいたくらいです。
会計大学院を修了することで、短答式試験のうち「財務会計論」「管理会計論」「監査論」の免除を受けることができます。
短答・監査論の勉強法
管理人は資格の大原で勉強していましたので、大原の教材の名称でご紹介しますが、
基本的にどの専門学校でも種類は同じですので、ご自身の専門学校に置き換えてご覧ください。
- テキスト
- 短答総まとめテキスト
- 肢別チェック
- 短答答練
- 監査法規集
講義期
講義が行われている学習初期は、講義にひたすら集中します。
これは企業法と同じです。
恐らく短答4科目のうち、1番遅くに講義が始まるカリキュラムのはずです。
特に、マーカーについては重要です。
講師によってはマーカーを引く箇所を指示してくれる人もいれば、指示しない人もいます。
指示してくれればそれに従えば問題ないのですが、指示がない場合はテキストの太字部分や趣旨にマーカーを自分で引いていきましょう。
専門学校のテキストは非常に完成度が高いですので、不要な情報は載っていません。
ガンガンマーカーを引いていって大丈夫です。
管理人の場合は、色使いもこだわっていて
- タイトル→水色 or ピンク
- 趣旨・周辺論点→黄色
- 用語・定義→オレンジ
で全科目統一していました。
合格のためには教材の回転が必要になってきますので、見やすい相棒となる教材がとても大切です。
ちなみに監査論は、公認会計士の独占業務である監査業務を試験科目としたものですが、
テキストも2冊ほどにまとまっていることも多く、短答4科目の中では最も学習ボリュームは軽いと思います。
しかし、それが点数に結びつくかというとそうではありません。
むしろ1番点数が安定しにくい、ある意味で取扱い注意な科目なのです。
それは至極当然のことなんです。
監査実務に直結する内容を学ぶわけですから、実務に触れる前の受験生からするとイメージしづらい部分が多いからです。
管理人も受験生の頃は実際意味不明でした。
なので、講義を聞いて分からなかったとしても落ち込む必要はありません。
理解できないことが普通なんです。
講義期においてはまだ計算科目が大切な時期ですので、計算に集中しましょう!
この時期の理論科目はテキストの作り込みに徹することにして、仮に理解できないことがあっても
へー、そうなのか
くらいに流しておくに留めましょう。
試験3ヶ月前
理解できないことが普通といっても、試験ですのである程度割り切って暗記することも必要になります。
どうしても理解できなくて気持ちが悪い箇所は、遠慮せず講師に質問して解決しましょう。
そして、この頃は肢別チェックが他の理論科目と同様に配布されたと思うので、もらったら回していきましょう。
短答の理論科目ということもあって、ついつい肢別チェック式の問題集ばかり回していきたくなりますが、肢別チェックだけを回転させていくのはかなり危険です!
特に監査論は出題傾向にバラツキが多く、肢別チェックだけで学習を進めていくことがないようにしましょう。
管理人も監査論の肢別チェックは3回転くらいしかしていないです。
きちんとテキストや短答答練も回していきましょう。
肢別チェックや短答答練は、初めは全く解けません!
それが普通です。
とりあえず頑張って1周させましょう。
初めの1周目が最も辛いのですが、とにかく1周回すというスタンスで食らいつきましょう。
2周目以降になると気持ちも楽です。
監査論は管理会計論と試験時間が分離されて時間を気にする必要性はなくなりましたので、確実に正答率の精度を高めていきます。
肢の種類は○×形式です。
×の理由を確認するのは誰もが行いますが、同様に◯の方も大切です。
◯は解説なしですが、◯の文章それ自体が知識となりますので、◯の文章も覚えていくように回していきます。
そうして本番までに肢別チェックは少なくとも3回転はしました。
何回も間違えてしまう肢は付箋をつけて、直前期にもすぐにチェック出来るようにしておきます。
試験2ヶ月前
短答答練が始まる頃だと思います。
短答答練の点数は低くても気にしないでください。
直前期まで力はどんどん付いていきます。復習の方が断然大切です。
上記に加えて、万人にオススメできる方法ではありませんが、
監査法規集(監査基準委員会報告書や倫理規則)を読み込んでいきます。
はい、コレです!
本試験の問題もそうですが、答練の問題も主に監査法規集の監査基準委員会報告書や倫理規則などから出題されているので、それなら読もう!考えたのです。
監査論の問題はほぼ監査基準委員会報告書から出題されますので、原文がまとまっている監査法規集を読み込んでおけば大体点数は取れるようになります。
しかし、これには2つの注意点があります。
- 文量が膨大ですので1周さらっと読むだけでも時間がかかる
- 読んだ内容を肢として切れるような知識として定着させるには1周では足りず、回転が必要
とにかく1周できれば2周目以降は楽になるので、1周目が大切です。
ただし、この文量ですので、読み込んでいくにも工夫が必要になります。
そこで管理人が実践した方法はこちらです。
出題されそうな箇所を読み込んでマーカーを引いていく!
いやいや、出題されそうな箇所が分かれば苦労しないよ。
どうやって見極めるの?
上の写真を改めて見返してほしいんだけど、
語尾が「~ことがある」や、「~な場合がある」にマーカーを引いているよね。
このような箇所っていざ本試験の肢に出てきた場合に1番判断に迷いやすいんだ。
だから、このような箇所を自分の知識として持っておくようにすると正答率も飛躍的に上がるよ。
ちなみに読み込んでいくにつれて、短答の肢に登場しそうな文章を自分で判断できるようになってきます。
監査基準委員会報告書は細かい規定も多いため、例示項目が列挙されている場合などがあります。
そのような箇所は出題されませんので、読み飛ばしてしまって大丈夫です。
上の写真では、右側ページの『7.継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切でない場合 A25』のマーカー以降の文章ですね。
例えば、~でいくつか列挙事項がありますが、このような内容はまず出題されません。
このような内容を切っていけば、読み込みできないことはないです。
ここまでできると監査論は怖いものなしです!
出題傾向がブレやすいからといって怖がることはありません。
しかし、読み込みに時間がかかりますので、
時間に余裕がない受験生の方は専門学校のテキストを完璧にすることで勝負しましょう!
中途半端に1周しかできないくらいでしたら、やらない方が絶対に良いです!
あくまでも監査基準委員会報告書の読み込みはテキストの内容+αでの学習法になります。
直前期
テキストや法規集、短答答練、短答総まとめテキストをひたすら回転させて知識を定着させていきます。
高速回転することで知識の定着と抜け漏れ防止に役立ちます!
直前期は肢別チェックは付箋を取り付けた箇所の確認程度で、回転はもうほとんどしていませんでした(ほぼ完成させていました)。
むしろ直前期はテキストや法規集の回転がメインになりますので、学習する教材の比重を間違えないようにしましょう。
スキマ時間勉強をするのに適した教材
理論科目は移動勉強するのに適しています。
特に、短答答練をテープでまとめたものを移動時間中に使用して覚えていました。
基本的には理論科目の短答答練はデスクでしっかりと勉強するのではなく、移動時間やお昼ごはんを食べている合間に確認するなどのスキマ勉強をしていました。
デスクでガッツリ勉強するのは、テキストの確認や肢別チェックなどの確認という使い分けをしていました。
結果的にこれが功を奏したと思いますのでオススメです。
Twitterをされている方におすすめ
Twitterをされている方は下記の講師の方をフォローしてみましょう。
CPA会計学院の監査論の齊藤先生です。
恐らくTwitter界隈で監査論講師の中では最も有名な方だと思います。
この記事が皆さんの勉強の参考になれば幸いです!
合格をお祈りしております!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また明日もお楽しみに!
独立会計士ブログのかわなべでした!
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